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「東北・みやぎ復興マラソン2021」大会中止のお知らせ

2021.04.26

10月に開催を予定していた「東北・みやぎ復興マラソン2021」は、新型コロナウイルス感染症の収束が見えない中、ランナー、ボランティア、関係者、および地域の皆さんの安全を十分に確保することが困難と判断し、中止とします。

大会を通じて「被災地の今を知ってもらい震災を風化させない」、「大会開催による経済効果によって復興支援をする」、「地域の皆さんとランナーとのふれあいを通じて、新たな記憶を作ること」などがこの大会の目的です。去年の大会中止以降、新型コロナ関連の情報を常に注視し、目的を叶えつつ、安全に運営ができる方法がないか、関係各所と協議を続けてきました。

そうした中、宮城県では3月下旬から新型コロナの感染者数が増大し、県独自の緊急事態宣言が発令され、さらに今月5日からは「まん延防止等重点措置」が適用されるなど、予断を許さない状況となっています。またワクチン接種のスケジュールが当初想定より遅れていること、さらには変異株の出現等により、収束の見通しは立っておらず、4都府県に緊急事態宣言が発令されたように全国的に見ても厳しい状況が続いています。大会開催に向けて、本来この時期には完了していなければならない打ち合わせも実施できず、またこの先の目途も立ちません。

大会を安全に運営するために必要不可欠な「医療体制」の構築に関しても、厳しい状況です。宮城県は病床がひっ迫し、「ステージ4」の状況です。当大会では250人規模の医療関係者の協力が必要となりますが、協力していただいている病院は、それぞれが地域の中核病院であり、日夜最前線で新型コロナ対応に追われています。協力していただいた医療従事者の方が万が一感染した場合、そのまま地域の医療崩壊にもつながりかねない状況です。何より、この状況下で大会を開催することで、医療従事者のリスクや負担が増すことになってはならないと考えています。

かつてその地域に居住していた住民の皆さんがボランティアとしてランナーを迎える「Back to the hometown」等、我々の大会の特徴でもあり、これまで最も大切にしてきた「ランナーと地元の皆さんのふれあい」に関しても、大きな制約がかかります。感染症対策を考えた場合、沿道からの応援や声掛け、ハイタッチ等は自粛をお願いせざるを得ず、本来の姿とは程遠いものになってしまいます。

大会規模を縮小しての開催も検討しましたが、その場合でもランナーに加え、医療従事者、ボランティア、大会スタッフ等、最低1万人を超える方が大会に関わり、集まることになります。感染症対策を十分に施したとしても、ワクチン接種のスケジュールが見通せず、治療薬もない現状では感染リスクは避けられません。震災によって多くの方が命を落とされた場所で大会を行う我々にとって、これまでのような安全の担保が困難な状況の中で大会を行うという決断はできませんでした。

多くのランナーや地元の皆さんが大会開催を楽しみにしてくださっていたことは、私たちに十分に伝わっています。
その中での中止の決断は断腸の思いですが、大会に関わる全ての皆さん、そして地元の皆さんの安全や安心を最優先に考えた結果の判断です。ご理解いただけると幸いです。
今後の大会に関しては、新型コロナウイルス感染症の状況を見ながら、大会開催が可能な状況となった段階で改めて検討させていただきます。

震災から何年経とうと「大会を通じて復興に寄与する」という想いは変わりません。
今年はオンラインマラソン等、被災地を支援できる代替イベントを検討しています。詳細は決まり次第、発表させていただきます。

新型コロナウイルス感染症が一日も早く収束し、“普通に走れる日”が戻ってくることを心から願います。


2021年4月26日 東北・みやぎ復興マラソン事務局